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TR-808<ヤオヤ>を作った神々 -菊本忠男との対話- 電子音楽 in JAPAN外伝 / 田中雄二

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1980年に発売された 日本製リズムマシン「TR-808」(通称:ヤオヤ)。 販売期間3年間でわずか1万2000台しか売れなかった装置は、後に海を渡り、80年代末に花咲くクラブシーン隆盛の中で、リバイバル評価を受ける。後続の「TR-909」、ベースライン用シーケンサー「TB-303」など、発売された姉妹機も、 楽器がジャンルそのものを生みだしていくきっかけとなった。 「TR-808」はエレクトロ、マイアミ・ベース、 「TB-303」はアシッド・ハウス、テクノ、 「TR-909」はハウス、ヒップホップ、ガバ、 発売元は大阪で創業した楽器メーカー、ローランド。 創業者の梯(かけはし)郁太郎は、たった一代で日本第2位の電子楽器メーカーに成長させた。今や世界の共通言語となった通信規格「MIDI」も梯が発案したもの。「MIDI」は、その後のDTM(Desk Top Music)、通信カラオケ、初音ミクブームなどを支える基礎技術となっていく。2013年にはこの発明による音楽業界の貢献を讃えられ、日本人個人として初めて、アメリカ最大の音楽祭、グラミー賞テクニカルアワード賞を受賞。 じつは、これらの発明は、基本的に1人のプロジェクト・リーダーから産まれた。 グラミー賞受賞時の梯のインタビューで、最大の功労者として名前を挙げられていたローランド大阪技術センター部長(当時)、菊本忠男である。「ミスター・キクモト」として海外では知られ、トリビュート盤も出る存在だが、これまで公式に雑誌インタビューを受けることがなかった。海外で制作されたドキュメンタリー『808』にも登場していない氏が、初めて「TR-808」「TB-303」「TR-909」の開発秘話を本格的に明かす。 本書は、累計1万3000部をセールスした、日本の電子音楽史を初めて綴った通史『電子音楽 in JAPAN』の20年ぶりの続編的歴史書でもある。日本のトップブランド、ローランド開発者、菊本忠男との対話形式で、前著の後の歴史である80年代末~今世紀までの、サンプリング、デジタル・シンセサイザー、ソフトウエア・シンセの歴史を集大成した。 【目次】 1 コンピュータ時代のあけぼの 2 ローランド誕生。 菊本入社前夜 3 菊本、 ローランドに入社 4 「Dr. Rhythm DR-55」完成とP8設立 5 メイキング・オブ「TR-808」 6 「TR-606」、 「TB-303」、 「MC-202」誕生秘話 7 「TR-909」はなぜアナログ方式を採用したのか 8 ヤマハ「DX7」の衝撃と新たなる挑戦 9 MIDIの誕生 10 基礎技術開発室設立と〝SA音源〟 11 LA音源の開発。 「D-50」の誕生 12 DTMの発明 13 GS対XG対GMのフォーマット戦争と「通信カラオケ」 14 ネットで世界を音楽で結ぶ技術者の夢 15 「M1」とワークステーションの登場 16 テクノ、 ハウス、 マイアミ・ベースと〝ミッドゼロ〟 17 「ヴァリフレーズ」の誕生 18 「COSM」と〝感性モデリング〟 19 ローランド社長就任と降板 20 退職後、 静岡大学へ 21 ソフトウエア・シンセサイザー「RC-808」 22 「サイレント・ストリート・ミュージック」は音楽で人をつなぐ 巻末付録:音盤(メディア)で辿る日本の電子楽器史 参考資料一覧 INDEX 菊本忠男(きくもと・ただお) 日本最初期のトランジスタ技術者の一人。41年大阪府生まれ、77年にローランドに入社し、プロジェクト「P8」セクションのリーダーとして「TR-808」、「TR-909」、「TB-303」などの代表機種を開発。世界的通信規格「MIDI」制定にも関わる。後に基礎技術開発室に移り、エルトン・ジョンが激賞した電子ピアノ「RD-1000」のSA音源、「D-50」のLA音源、COSMパラダイムによる「V-Guitar」から「V-Piano」までのVシリーズの開発に関わる。代表取締役社長を経て、現在はロボット工学、DSP研究者。 出版:DU BOOKS ページ数:376 判型:A5判並製 田中雄二(著) 雑誌、書籍編集者を経て、現在は制作会社の映像プロデューサー。 大野松雄、TM NETWORKドキュメンタリーなどを構成。ノンフィクションライターとして、『電子音楽 in JAPAN』『YELLOW MAGIC ORCHESTRA』『昭和のテレビ童謡クロニクル』『エレベーター・ミュージック・イン・ジャパン』『AKB48とニッポンのロック』ほか執筆業も。細野晴臣、坂本龍一、冨田勲追悼公演のパンフなどオフィシャル印刷物などにも寄稿している。

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