

タイのチェンマイを拠点に活動するインディー・ロック・バンドの2nd EP。“なんて広大な海”というタイトルの本作はまるでロック・ミュージックのタイムラインをまるっとSolitude Is Bliss的に解釈したかのような色とりどりの1枚だ。オルタナもあればシューゲイズっぽい曲もあるし、最近のインディーのトレンドを踏まえた曲、メロディアスなフォーク・トラックまでジャンルでまとめるのが難しくなるような多様性が蠢いている。
Solitude Is Blissの端から端までをギュッと1ヶ所に詰め込んだような聴きごたえ。力業というか巧妙なテクニックというか、このアルバムを聴くに最早Solitude Is Blissは期待の若手ではない。今やタイのインディー・ロック・シーンの顔に違いないだろう。ある種実験的であり、同時に大味で広大という意味でRadioheadの名すら思い浮かぶ。だが、EPを締めくくる「Secret」を見ると、やはり真髄にあるのはそのサイケデリックな体験に違いない。
POLTP001
format:Cassette Tape
label:Pollinate Records
release:2023/05/22
track list:
1. No Stars In The Sky
2. I Don’t Know If I Treated It Right
3. Background Noise
4. Mango
5. Propellerhead
6. Secret