
ミニマルで実験的なフットワーク・サウンドをリリースし続けるポーランドのレーベル、outlinesの新作は、ポーランドのプロデューサー・デュオのIFSと、日本のヴォーカリストのMAとのコラボ作。
シンプルだが鋭利な建築のようなビートに意識を集中していると、どこからか呪文じみたヴォーカルが聴こえ始め、天から飛来した未確認飛行物体の光の如くアシッド・ベースが舞い踊い、まるで上品なB級SF映画に出てくる召喚儀式のワンシーンを切り取ったような音像がなんとも言えない魅力を解き放っている。一見対極にあるシステマチックなIFSのトラックとトライバルなMAのヴォーカルの親和性は、NASAが発表した宇宙の音がシンセサイザーで生成されたような音だった時の感動を思い出す。MAが歌うように“結局輪になる”。
ミニマル~音響~エレクトロニカ周辺のムードを漂わせながらもダンスフロアでもしっかり映える仕上がりがお見事。リビングルームにも現場にも不思議とスッと収まるフットワーク界のオーパーツ。お気に入りの曲は「Yaksoq」。おすすめです。
レーベル:outlines
規格番号:gui005
フォーマット:カセットテープ