

南ロンドンを拠点とするマルチ・インストゥルメンタリストcktrlによる2022年作品。
「古いレコードをサンプリングしなくても、あのフィーリングと美しさを持ったものをまたゼロから作れるということを示したい。それ自体が芸術であるとしても、生のオーケストレーションやインストゥルメントが唯一のソースになり得ることを示したい」と本人が語る通り、前作のようなダンストラック的アプローチから離れ、これまで以上に生楽器の演奏で構成されている。
とはいえアンサンブル自体で聴かせるというよりはそれぞれの音を絵の具のように捉え、ペインティングのように楽曲を再構成しているように聴くこともできる。
美の概念を抽象化したような、これ以上ない、メロウな夜の室内楽。
***
(cktrl Bandcampより抜粋/和訳)
イギリスのミュージシャン、マルチ・インストゥルメンタリスト、プロデューサー、DJであるcktrlが、新作EP「yield」をリリースして帰ってきた。
現代のブラック・ブリティッシュ・ミュージックにまつわる物語を変えたいという願望から生まれたこの境界を押し広げるミュージシャンは、このプロジェクトで本物のミュージシャンシップの芸術を優先させることを目指している。ctrlのこれまでの作品とは一線を画す「yield」は、エレクトリック・ジャズ以前のモーダルな時代を彷彿とさせると同時に、クラシックやバロック音楽の要素も取り入れた、より内面的な作品となっている。
プロジェクトのサウンド・アイデンティティについて、ctrlはこう語っている。「古いレコードをサンプリングしなくても、あのフィーリングと美しさを持ったものをまたゼロから作れるということを示したい。それ自体が芸術であるとしても、生のオーケストレーションやインストゥルメントが唯一のソースになり得ることを示したいんだ」。
【Track List】
A1. note
A2. yield
A3. lucidly
A4. night i pine
B1. love & war
B2. B
B3. marcescent
レーベル:TOUCHING BASS
規格番号:OHX008
フォーマット:12" Vinyl