

西日本でカニと言えば、タラバではなくズワイガニ!昭和30 年代まで、都市部でカニと言えば、カニ缶だった。ミソも美味しいズワイを都市部でも食べることができるようになるまでの物語。
都市部の人たちがカニを食べ始めたのは、そんなに古い話ではない。昭和初期にはまだ、カレイの網にたまたまかかったカニを地元の人は食し、残りは肥料として使われていた。
そんなカニが、価値を持ち始めるのは1960 年代。かに道楽を立ち上げた今井芳雄が、冷蔵技術を開発し、都市部に送ることができ、年中食べることができるようになってから。そこからカニは都市の人に愛される、そして晴れ晴れしい食べ物になっていったのだ。
本書は、そんなカニ食の歴史と、カニを愛した人たちの記録です。
【著者プロフィール】
広尾 克子(著)
1949年大阪府生。関西学院大学大学院社会学研究科研究員。1971年神戸大学文学部卒業後、(株)日本旅行入社。2000年退職まで主に海外旅行企画部門に従事。2013年関西学院大学大学院社会学研究科入学。同科博士後期課程を単位取得退学後、現在に至る。著作に「カニ食の社会史-「かに道楽」の誕生(『生活文化史』第73号」)、「カニツーリズムのゆくえ-北陸地域からの考察」(『先端社会研究所紀要』第15号)など。
出版社:西日本出版社
ページ数:256
判型:四六判並製
ISBN:9784908443459