


90年代におけるUSシューゲイズを代表するレジェンド、Drop Nineteensが1992年にリリースしたデビュー・アルバムがついにLP化。なぜか日本ではいまだにストリーミングが解禁されておらず、CDも既に廃盤といった調子だったが、ようやく公式からフィジカルが登場(しかもLPは初)。
USシューゲイズといえば、古くはLilys、Swirlies、All Natural Lemon & Lime Flavors、あるいは現行だとKraus、Full Body 2、They Are Gutting A Body Of Waterなど、なかなか一筋縄ではいかないバンドが多い印象だが、Drop Nineteensはその中でもかなり正統ではないだろうか。快楽的なビートと浮遊するレイヤード・ギターがひたすら繰り返される没入感たっぷりの「Kick the Tragedy」はその象徴と言えるかもしれない。
1990年に前進バンドをボストン大学にて結成、在学中にレコーディングしたという本作(しかもPixiesの『Doolittle』と同じスタジオ)。まさにDinosaur Jr.やPixies、Sonic YouthといったUSオルタナティヴと、海の向こうからやってきたオリジナルUKシューゲイズの純粋な邂逅としての音楽がここにある。
なお、オリジナルのアートワークでは拳銃を握っていた少女が、今回のリイシューでは花を持っている。昨今の情勢を踏まえての変更で、売上の一部は慈善団体に寄付するという。素晴らしい心意気。
WCR155LP-C1
format:LP
label:Wharf Cat Records
release:2024/07
track list:
1. Delaware
2. Ease It Halen
3. Winona
4. Kick the Tragedy
5. Baby Wonder's Gone
6. Happen
7. Reberrymemberer
8. Angel
9. My Aquarium
10. (Plus Fish Dream)